ポイント選びは魚の気持ちを考えて
川面に小さな波紋が広がるたび、ふと足を止めて見入ってしまうことはありませんか?
あのライズの先に、魚は何を待っているのでしょう――虫なのか、小さなプランクトンなのか。それとも、私たちがまだ気づかない何かを狙っているのでしょうか。
でも、ちょっと考えてみてください。魚が待っているものは、あなたの釣り方とちゃんと合っていますか?
今回は、初心者によくある「魚がいる場所と、釣れる場所は違う」というお話をしてみたいと思います。
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秋の朝の川は、吐く息が白くなるほど冷えていた。
やがて太陽が顔を出すと、水面がきらりと光り、大きなライズが広がった。まるで川そのものが目を覚ましたようだった。
目の前で波紋が立ったポイントに、反射的に仕掛けを振り込む。すぐに「ぐっ」とウキが止まる感触。いまだ!と合わせると、生き物の気配がない重さ――根掛かりだ。
だが、幸いなことに、今日は長靴を履いている。足元は思ったより浅い。少しずつ近寄りながら、竿を右に左に振って外れないか試してみることにした。
――え?
なんと、引っかかっているポイントまで歩いて行けてしまった。
「うわ、こんなに浅いのかよ……」
くるぶしより少し上。思ったよりもはるかに浅い。
さっき見た魚影――ほんの一瞬だけ見えた銀の煌めきが頭をよぎる。
――あんな浅瀬に、本当にあの大物がいたのか?
信じられない気持ちで、オレは濡れた竿先をもう一度見つめてみるのだった。